乙女とふれあう、ひとつ屋根の下
乙女同士の恋愛を繊細に描写することで人気を集めながらも、メディアに一切露出がない謎多き百合小説家、五百雀つむぎ。その正体は、久瀬尚文という男性だった。しかし、そんな彼も現在スランプの真っ只中。ある出来事が切っ掛けで、1年近く執筆がストップしている状態だった。煮詰まった時のとっておきの打開策である『女装』を試みるも、成果はなし。そんなとき、尚文の姉で、担当編集でもある諒香から、作品作りのインスピレーションを得るための手段として、「女子寮の管理人をする気はないか」と提案される。ある名門女学園の学生寮が、急な改築工事をすることになったため、仮設寮の寮母を探しているという。「けど、その女学園って男子禁制のはずじゃ」「女装すればいい」「いや、無理だって。絶対バレるって」「ふふっ、そうか。やりたいか」「人の話聞いてる?」反論むなしく『寮母』として、住み込みで働くことになってしまった尚文。彼――もとい彼女は、文森菜桜という女性として、3人の女学生とひとつ屋根の下で生活することに。はたして菜桜は、乙女たちと寝食を共にしながら、男性であることを隠し続けることができるのだろうか。(できない)
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